上遠野 浩平 緒方 剛志
メディアワークス (1998/02)
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■内容紹介 君には夢があるかい?残念ながら、ぼくにはそんなものはない。でもこの物語に出てくる少年少女達は、みんなそれなりに願いを持って、それが叶えられずウジウジしたり、あるいは完全に開き直って目標に突き進んだり、まだ自分の望みというのがなんなのかわからなかったり、叶うはずのない願いと知っていたり、その姿勢の無意識の前向きさで知らずに他人に勇気を与えたりしている。これはバラバラな話だ。かなり不気味で、少し悲しい話だ。―え?ぼくかい?ぼくの名は“ブギーポップ”―。第4回ゲーム小説大賞「大賞」受賞。上遠野浩平が書き下ろす、一つの奇径な事件と、五つの奇妙な物語。
■感想□ザッピング視点 ザッピングとは、gooの国語・新語辞書によると
テレビを視聴する際、リモコンを使って頻繁にチャンネルを変えること。
らしいです。
ですから物語におけるザッピング視点とはつまり、チャンネルを変えるように、様々な登場人物それぞれの視点から語られる描写形式ということになりましょうかね。
古典的作品なので、読んでない人すらも知ってるかもしれませんが。
この作品の構造的な最大の特徴がこのザッピング視点です。
まあ描写形式なので好き嫌い別れるところですが、自分はPS2の『SIREN2』以来ザッピング視点の虜になってしまったので、この形式は大好物です。劇団ひとりの『
陰日向に咲く
』などもそうですね。
(だからといって『
SIREN2
』や『ブギーポップは笑わない』のザッピング視点の使われ方が、性質的に同一というワケではありません。むしろ、それぞれ個性的で全く違う性質です。この形式に慣れてない人は特に、ザッピング視点にも色々あるという事に気をつけなければいけないワケです)
そんな自分からすると、この作品のザッピング視点も割と効果的で面白く、満足のいくものでした。
□人が多い ラノベ的水準からすると、おそらく登場人物の数が多い方なのではないでしょうか。
持ち上げた所を落とすようでアレなのですが(;´Д`)
これはザッピング視点と深い関係にある要素ですし、基本的にザッピング視点を利用した上では
・人数が多い→ザッピング視点の幅が広がり複雑な物語を展開できるが、数多くの視点を行き来する描写だと、読者が混乱しやすくなる
・人数が少ない→それぞれの登場人物の描写を掘り下げる事ができるため、読者は感情移入や展開の把握がしやすいものの、視点をザッピングしても人数の幅が狭いために展開が単純化する事がある。
こういう事が言えるのではないかと思います。
……この形式で小説作るのは大変そうですね。
自分はこの作品で、登場人物の識別、関係の把握に少しだけ手こずりました。
□別に稚拙じゃない アマゾンのレビューとかで見かけた「文章が稚拙」という意見ですが。
稚拙とはまた違って、それは厳密には、時代の流れによる意識してない領域での文章の洗練度というか、(本当に肉眼で確認できないような)トレンドの違いなのではないかなと。
自分も読んでいて多少の違和感がある風には感じたわけです。
ただ、この作品は9年前のものということですし、やはりその当時の「文章の感じ」みたいなものに不自然さを感じるんじゃないですかねぇ……。
ほんと分かりやすく説明できませんが(汗
■最後に 人数についての感想部分にて、以前ブックマークした「ライトノベルにおけるキャラの丁度良い人数」とかを書かれていたどこかのブログの記事を参照しようと思ったのですが、実はブックマークしてなかったみたいなんです(;゚д゚)
わりと最近の記事だったと思うのですが、お心当たりの方は是非教えてください。
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